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札幌弁護士会所属 弁護士 松下 孝広

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【過払い金講座目次】
最初に絶対読んでください
過払い具体例(引き直し計算)
対象となる金融業者
どのくらいで過払いとなるか
グレーゾーン金利と過払い
手続の流れ
時間はどのくらいかかるのか
ドキュメント過払い事件
司法書士との比較
弁護士費用
申込方法
過払い金返還専用相談票
ご相談時に持参するもの
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最初に絶対読んでください
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第1 現実の借入の利率と法定利率(利息制限法が定める利率)
 
 みなさんは,何パーセントでお金を借りていますか?
 あらゆる人の貸金取引には利息制限法という法律の適用があります。この利息制限法は,貸付けの金利も規定しています。
 しかし,現実の借入では,消費者金融等の貸金業者から利息制限法1条に規定されている利率を超える約定利息で借入れをしている場合がほとんどです。
 利息制限法は借入金額に応じて,15%,18% 20%と利息上限を制限していますが,貸金業者の多くは,例えば25.5%とか,29.2%で貸付けをしているのです。
 つまり,貸金業者は,利息制限法を遵守せずに違法な貸付けをしていたのです。
 なお,利息制限法が定める利率を法定利率と呼ぶことがあります。 
 

第2 利息制限法の上限金利

  貸金の利息について、利息制限法1条は、利息上限について次のように定めています。
 元本10万円未満の場合は年20%
 元本が10万円以上100万円未満の場合は年18%
 100万以上の場合は年15%
 
元本10万円未満の場合 20%
元本が10万円以上100万円未満の場合 18%
100万以上の場合 15%
 
 そして,これらを上限利率(法定利率)として、この制限を超えた利息(超過利息)の支払いは「無効」とすると規定しているのです。
 つまり,利息制限法によれば,法定利率を超える利息の支払いは無効なのです。

第3 上限金利を超える部分は無効 過払金発生のメカニズム

 法定利率を超える利息の支払いが「無効」である以上、利息制限法を超える利息を支払った場合には、その超過した部分の金額を順次,「元本に充当」させて、残っている元本債権をそれだけ減らすことができます。この元本への充当について,民法に規定があります(正確には民法が適用されるわけではないとも考えられますが,これは法律問題ですので省略します)。
 
 そうすると,元本の減りが多くなので,貸金業者との約定通りの支払よりも,元本充当額が大きくなり,約定の返済予定よりも早く返し終わることになります。
例えば,10万を29.2%で借りたとします。1ヶ月後に1万5000円を返済した場合,利息と元本は次のようになります。
      (約定金利の場合)
         利息   2,480円(業者が取得する)
         残元金 87,480円(借金の残り)
      (法定金利の場合)
         利息    1,528円(業者が取得する)
         残元金 865,28円(借金の残り)
 このように,法定金利の場合の方が,1ヶ月で952円多く元本(残金)が減ります。

 しかし,貸金業者は,あたかも,約定金利が適法であるかのように装って,違法金利を取り立てますので,貸金業者のATMや明細をみても,早く返し終わらないことになります。
 そうすると,本当はもう返済し終わったのに,返済されていないかのように扱われてしまいます。
 その結果、元本が完済された後にもさらに返済を続けるという事態が生じるのです。
 
 この返済後も支払続けた金銭については、不当利得(法律上の原因なく他人の財貨から利益を得ること。民法703条・704条)となります。この不当利得した金銭の返還を請求できることになります。
 これを法律的には不当利得返還請求というのですが,俗に過払い金返還請求と呼んでいるのです。
 
 ほとんどすべてのサラ金等の消費者金融業者は、利息制限法の法定利率を超える約定利息で貸付けをしています。
 多くの消費者金融は,25.5%~29.2%に約定金利を設定していました。(なお,29.2%を超えないのは,出資法の上限金利がこの利率であり,これ以上にすると刑罰が科されるためです。後述します)
 
 こうして,利息制限法を超える違法利率による約定によって金利を徴収しているために,過払金が発生するのです。
 業者の約定金利を,利息制限法による法定利率に基づいて再計算(これを引き直し計算といいます)をすると、過払金が明らかとなります。


第4 利息制限法と出資法 -グレーゾーン金利-
 
 法定利率を超える超過利息の支払いは「無効」であり、過払金が発生した場合には、不当利得として返還を請求することができます。
 それにもかかわらず、現実には貸金業者は、顧客に法定利率を大幅に超過する約定利息で貸し付け、「無効」であるはずの利息をとっています。 
 なぜ、このような違法な状態がまかり通っているのか。 
 まず利息制限法と出資法との関係について説明が必要です。

 出資法は、刑事罰をもって違法な貸金行為を規制する法律です。
 この出資法5条2項は,刑事罰を科す利率を29.2%を超える場合と設定しているのです。
 ですから,29.2%までは,刑事罰が科されないのです。(なお,平成12年6月までは40.004%に設定されていたため,多くの消費者金融は,約定金利を40%程度にしていました。また,この刑事罰が科される金利は,近時20%と改正され,近く施行されます。)
 
 これに対し,利息制限法には罰則規定がありません。
 利息制限法は,罰則で業者を取り締まるための法律ではなく,貸し主と借り主つまり,金融業者と消費者との間の貸金契約の効力を定めるだけなのです。
 この点で,取り締まりのための法律である出資法とはその目的も効果も違うのです。

 このように,取締法規である出資法と利息制限法とで,それぞれ上限金利がことなるため,利息制限法1条の法定利率を超過して貸付けした場合でも、利息制限法によって,無効な利率であるが,29.2%の範囲内であれば、刑事罰は科されないという事態が生じます。

 出資法の刑罰が科される貸付金利と利息制限法で無効となる金利との間に差をグレーゾーン金利と呼んでいるのです。
 利息制限法から見れば,「無効」ですから,グレーではなく,本当は真っ黒なのですが,出資法から見れば刑事罰が科されないというゾーンになるため,利息制限法黒なのに出資法ではセーフ(白)なのでグレーと呼ばれるのでしょう。

 貸金業者の多くは、出資法による刑罰が科されないことをいいことに,本来利息制限法によれば無効であるにも拘わらず,あたかも許された適法な金利であるように装い,出資法の最上限利率29.2%の範囲内において、29.2%か、限りなくそれに近い金利で貸付けを行っているのです。
 こうして,グレーゾーン金利とよばれるものが存在していたわけです。

第5 利息制限法と出資法の改正

 2006年12月 利息制限法と出資法が改正されました(貸金業法なども改正されました)
 改正出資法では,刑事罰の対象となる金利が年20%を超える場合と,刑事罰の適用範囲を広くしました。そして,これは,利息制限法の上限と一致するので,これからは,利息制限法に反する貸付は刑事罰の対象となることになり,グレーゾーン金利がなくなることになります。
過払金について、ご自身でも調べてみたいという方はこちらの本をお勧めします。
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