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目次
 第1 概要
 第2 詳しい解説
  1 協議離婚
  2 調停離婚
  3 審判離婚
  4 判決離婚
  5 和解離婚

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離婚について,ご自分でもっと手軽にお知りになりたいという方には,このような本がありますので,どうぞ。
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第1 概要

 離婚の方法(手続)には,大きく分けて,次の2つがあります。
 (1) 双方の合意により双方が役所で行う協議離婚手続
 (2) 裁判所を利用する手続き
  
 このうち,(2)の裁判所を利用する手続きはさらに4つあります。
  @調停離婚 
  A審判離婚
  B判決離婚(裁判離婚)
  C和解離婚
 この4つについて、以下説明しますが、まず、概要をみます。
   
 @ 協議離婚
 

 これは,当事者の離婚の合意と戸籍上の届出(離婚届)をするだけで成立する離婚です。

 A 裁判所を利用する手続き

 (ア) 調停離婚は,家庭裁判所での調停で離婚の合意が成立し調書に記載された場合です。

 (イ) 審判離婚は,家庭裁判所の調停手続で裁判官(家事審判官)が調停に代わる審判をして異議なく確定した場合です。

 (ウ) 判決離婚は,家庭裁判所あるいは高等裁判所・最高裁判所の人事訴訟手続で離婚の判決が確定した場合です。

 (エ) 和解離婚は,家庭裁判所又は高等裁判所の人事訴訟手続における訴訟上の和解で離婚の合意が成立し調書に記載された場合です。

それでは、詳しく解説します。

第2 詳しい解説

1 協議離婚
(1)最も簡単な手続・協議離婚の制度を採る国は少数
 協議離婚は、当事者の離婚の合意と戸籍上の届出(離婚届)をするだけで成立する離婚です。
 わが国は,当事者双方の離婚の合意と戸籍上の届出だけで離婚することができる協議離婚の制度を設けています。民法763条が「夫婦は,その協議で,離婚をすることができる」と規定しているのがそれです。
 日本での離婚の大半(9割)は、協議離婚です。協議離婚は、他の離婚手続きに比べ、最も簡単なのですが、相手方と合意しなければ成立しません。
 
 これは単なる知識ですが、このように,裁判や公的機関のチェックなしに当事者の意思だけで離婚を認める国は,日本の他は韓国や台湾などごく少数の地域に限られており,実は珍しいのです。
 韓国の場合は,協議離婚は,合意と戸籍上の届出のほかに「家庭法院の確認」が必要とされており,日本より要件が厳しくなっています。日本では,このような意思確認の制度がないため,当事者の一方の意思だけによる離婚届が跡を絶たず,協議離婚無効確認を求める調停の申立てが多く見られます。

(2)離婚届不受理申出制度

 日本の協議離婚制度は,届出を受理する市区町村長に,署名した双方に届出意思が本当にあるのか等について実質的な審査権がありません。 
 そのため,当事者の一方が,他方の知らないままに署名を偽造して,離婚届を出してしまうことを阻止し難く,戸籍上の届出はあるが,当事者の他方に本当は離婚の意思がない(合意がない)ということが起こり得ます。 
 離婚には応じる気がある、金銭給付などに異議があるため、交渉の道具としてそもそも離婚自体に合意しないという場合も結構あり、戸籍上離婚されると交渉がスムーズにならない場合もあるので、これは重要です。
 そこで,1952年(昭和27年)から,戸籍通達により,離婚届の不受理申出の制度が設けられています。
 この離婚届の不受理申出の制度は,離婚の意思がない者又はいったん離婚の意思をもって協議離婚届に署名したがその後離婚意思を翻した者が,協議離婚の届出がされるおそれがあるとして,右届出があってもこれを受理しないように申し出たときは,一定期間(6ヵ月)これを受理しないものとするという制度です(昭51・1・23民(二)900号民事局長通達)。
 この制度は,実際にかなり利用されており,自分の意思に反する離婚の事前の防止に役立っています。


(3)協議離婚の実質的要件

 協議離婚が有効に成立するためには届け出という形式的要件のほかに、その実質的要件として,双方の当事者に離婚意思の合致がなければなりません。
 離婚意思とは何かについて,大別して,実質的意思説と形式的意思説が対立しています。
 このような離婚の意思の問題について見解が分かれるのは,どのような場合に,離婚が無効となるかについて考えるためです。
 当事者双方に,夫婦生活など婚姻の実体を解消しようとする意思はないが届出意思はある場合,すなわち,離婚による婚姻関係解消による法的効果を利用して,何らかの目的を達するための便法として離婚の届出をする場合,その離婚は有効か無効かが問題となるのです。この場合,実質的意思説という見解によれば,離婚意思を欠き無効となるのに反し,形式的意思説という見解によれば,離婚意思があり,離婚は有効ということになります。
    

(4)協議離婚の形式的要件

 協議離婚は,戸籍法の定めるところに従って届出をすることによって成立します(民764条・739条)。つまり、双方に離婚意志があっても、届け出をしなければならないということです。

 協議離婚の届出はないが,夫婦が離婚の合意をして別居している場合,すなわち事実上の離婚の法的効果については,問題が多くあります。

 夫婦は,民法によって婚姻の効果として様々な義務(同居義務など)をを他方に対して負担していますが,離婚すれば,これを免れることになるのです。 これらの義務は、夫婦であるという実態があるからこそ、認められるものですので、そこで、届け出がない事実上の離婚の場合にも,義務から解放しても良いのではないかという問題があるのです。

 まず,夫婦双方だけにとどまらない第三者に関連する法的効果は戸籍を基準にせざるを得ません。ですから,姻族関係の終了,復氏,親権,相続などは,離婚の届出をしなければ効果が認められません。

 しかし,当事者間だけの効力として考えれば足りる同居・協力・扶助義務,貞操義務,婚姻費用分担義務等の夫婦生活に伴う実質的義務は,事実上の離婚によって消滅すると考えられています。
    


2 調停離婚

(1)調停前置主義

 当事者間の協議で離婚の合意ができないときは,裁判所を介して離婚するほかはありません。 

 離婚事件は「人事に関する訴訟事件その他一般に家庭に関する事件」に属しますので,家庭裁判所の家事調停で解決を図ることになります(家事審判法17条)。

 裁判離婚制度には,調停前置主義の適用があり,離婚訴訟(人事訴訟)を提起する前にまず家庭裁判所に調停を申し立てなければならず(家審18条1項),調停の申立てをすることなくいきなり離婚訴訟を提起した場合には,裁判所はその事件が調停には適しないと認めるときを除いて,その事件を家庭裁判所の調停に付しなければなりません(同条2項)。

 これは,離婚の問題は,裁判所がいきなり白黒決めるべきものではなく,まず双方が話し合うべき問題だといえるからです。

 ただし,これにも例外があります。次のような場合には,話し合いによる解決がそもそも見込めないので,調停前置の適用がなく,いきなり離婚訴訟を提起できると考えられています。

 @ 相手が精神上の障害等により話し合いや合意による解決が期待できないとき

 A 相手が行方不明でその所在が判明しないとき等が考えられます。


(2)調停の申立手続

 離婚を求める調停は,相手方の住所地の家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所に申し立てます(家審規129条1項)。

 裁判所には調停申立てのひな形用紙が備えられていて,それに記入するだけで簡単に申立てをすることができます。
 また,多くの家庭裁判所には,申立手続きについて説明するための窓口がありますので,離婚調停を求めたいときは,まず家庭裁判所に問い合わせましょう。家庭裁判所によっては,電話ガイダンスなどのサービスがありますので,それを利用するのもいいでしょう。

 申立ての手数料は,1200円の印紙代と,当事者の呼出し等の切手代として数百円が必要なだけです。

 多くの家庭裁判所では,離婚を求める調停の申立てがあると,「夫婦関係調整」事件として立件します。
 これは,当事者が離婚を求めていても,その夫婦が必ずしも完全に破綻しているとは限らず,なお円満に夫婦関係を修復することができる余地がある場合が少なくないため,調停ではその可能性を探る努力をし,円満和合・離婚の双方向で調整を行うことから付けられた名称です。


(3)調停の進行と終局

 調停の申立てがあると,家庭裁判所では,担当の家事調停委員を選任します。調停委員は,双方の話し合いを仲立する人たちです。
 裁判所は,大体1ヵ月先に第1回の調停期日を指定して,当事者双方を呼び出します。
 相手方は,この調停期日に出頭する義務があります。

 調停委員は,調停期日では,双方を同席させた上で(同席調停といいます),あるいは別席で個別的に(別席調停といいます),これまでの紛争の実情等について,双方から,事情を聴き,今後の解決方法等について双方の意向を確かめ,円満和合あるいは離婚等について,調整を図っていくことになります。

 第1回の期日で何らかの合意に達して調停が成立することもありますが,多くの場合何回かの期日にわたって調整の努力がなされます。

 調整が行われた結果,当事者間に何らかの合意に達したときは,調停成立として調停は終わります。

 離婚を止まり同居を回復して円満和合に至ったときはその旨の調書を作成し,離婚の合意ができたときは離婚成立の調停調書を作ります。

 そのほか冷却期間を置くためしばらく別居することとしたり,将来の離婚の予約はするが当面は離婚せず,生活費の分担支払(婚姻費用の分担)を約束する内容の調停をすることもあります。

 これらが調停成立による調停の終了です。
 そのほか,調停において,円満和合の方向でも離婚の方向でも,一時別居等の方向でも,双方に合意点が見いだせず,話し合いが成立しないときは,調停は不成立として終了させます。

 調停が不成立となり,どうしても離婚したいと考える当事者は,離婚訴訟を提起することになります。

 そのほかの調停終了の場合としては,調停を申し立てた者が,調停での話し合いの結果目的を達したと考え,あるいは逆に調停を進める意味がないと考えたりして,調停を取り下げた場合,あるいは調停を申し立てたのにやる気をなくすなどして調停期日に出頭しないため,調停を行わない(なさず)措置を採った場合,後述する調停に代わる審判をする場合などがあります。 
 調停において,当事者間に合意が成立し,これを調書に記載します。調書に記載されたときは,調停が成立したものとして,その調書記載は,訴訟事項に関しては確定判決と同一の効力を有し,審判事項に関しては確定審判と同一の効力が生じます(家審21条1項)。
 例えば,調停条項中,離婚・慰謝料・特有財産の引渡し等は訴訟事項ですから確定判決と同一の効力を有し,親権者(監護者)指定・養育費・子の引渡し・面接交渉,財産分与等は審判事項ですから確定審判と同一の効力を有します。
 ここで確定判決と同一の効力の意味については,後記(:後において解説するところに)譲り,ここでは確定審判と同一の効力の意味についてだけ触れておきます。
 この点については,家事審判法15条に規定があり,金銭の支払,物の引渡し,登記義務の履行その他の給付を命ずる審判は,執行力ある債務名義と同一の効力を有するものとされています。つまり,審判には形成力は当然のこととして,養育費など金銭の支払を認める条項の場合は,執行力があり,強制執行が可能だということです。

3 審判離婚

(1)調停に代わる審判

  調停において合意が成立する見込みがない場合でも,調停不成立として終了させず,調停(合意)に代わる審判をすることもできます。

  すなわち,家庭裁判所(家事審判官・家事調停官)は,調停委員会の調停が成立しない場合において,相当と認めるときは,当該調停委員会を組織する家事調停委員の意見を聴き,当事者双方のため衡平に考慮し,一切の事情を見て,職権で,当事者双方の申立ての趣旨に反しない限度で,事件の解決のため離婚の審判をすることができ,この審判においては,金銭の支払その他財産上の給付を命ずることができるとされています(家審24条1項)。
  
この調停に代わる審判においては,離婚調停においてできることは合意に代わるものとして審判の主文で命ずることができ,例えば,@離婚の本体のほか,A親権者・監護者の指定,B養育費,C子の引渡し,D面接交渉,E財産分与,F慰謝料,G特有財産の引渡し等を命ずることができます。

(2)異議の申立て

  調停に代わる審判は,一種の簡易裁判であり,条理裁判であって,その判断基準(審判規範)は必ずしも法規範にしはられず,調停規範と同様に条理や慣習・習俗などの社会規範によって審判することが可能です。

  その意味では,大岡裁判ともなりかねず,功罪半ばすることになりますので,この審判に対しては,異議申立てによって失効するという簡易な不服申立てが用意されています。
  すなわち,この審判に対しては,当事者及び利害関係人が,当事者が審判の告知を受けたときから2週間以内に異議の申立てをすることができ,その期間内に異議の申立てがあったときは審判は効力を失い,その期間内に異議の申立てがないときは,その審判は確定判決と同一の効力を有します(家審25条,家審規139条)。

  この異議申立ては,通常の控訴や抗告の不服申立てが理由を要するのと異なり,異議の理由は必要なく,ただ異議があるというだけで審判は失効します。
  従って,相手方が,審判に不服であるとすれば,簡単に審判を覆すことができるのです。その意味で,実効性に欠ける制度です。そこで,この審判が利用されることは,審判がなされれば,相手もあきらめることが確実であると見込まれる場合など限られた場合のみです。
  ただ異議申立てが期間経過後であるなど不適法なときは,裁判所によって受理されず却下されますが,その却下の審判に対しては異議申立人は即時抗告をすることができます(家審規140条)。
                     
4判決離婚

(1)離婚訴訟の提起

  @ 人事訴訟の提起

  調停前置主義の原則に従い,家事調停を申し立てたものの,調停が不成立に終わったとき,あるいは調停に代わる審判が異議申立てにより失効したときは,それでも離婚の目的を達したいときは離婚訴訟(人事訴訟)を提起しなければなりません。

  その場合には,不成立の旨あるいは当事者が異議申立てにより審判が失効した旨の通知を受けた日から,2週間以内に訴えを提起したときは,当初の調停申立ての時にその訴えの提起があったものとみなされます(家審26条2項)。 
 この場合,上記の2週間の期間内に離婚訴訟を提起したときは,当初の調停申立書に貼付して納付した手数料(1200円)は,離婚訴訟の訴状に貼付して納付すべき印紙額に通算され,その分だけ既に納めたものと見なされます(民訴費5条)。 
 つまり,新たに訴訟で納付する印紙代が浮くわけです。


  A 管轄

  離婚訴訟を提起するには,訴状を管轄裁判所に提出しなければなりません。 訴状を提出すべき裁判所(これを管轄といいます)は,人事訴訟法によって決まっております。
  
 従来離婚訴訟は,地方裁判所の管轄だったのですが,平成15年(2003年)7月16日に新人事訴訟法が成立し,平成16年(2003年)4月1日からは,家庭裁判所に移管されました。
 従って,管轄裁判所は家庭裁判所になります。
 離婚訴訟を提起すべき家庭裁判所(土地管轄裁判所といいます)は,夫又は妻が普通裁判籍を有する地を管轄する家庭裁判所です(人訴4条1項)。
 
 普通裁判籍とは,まず住所があればそれにより,日本国内に住所がないとき又は住所が知れないときは居所により,日本国内に居所がないとき又は居所が知れないときは最後の住所により,それぞれ定まります(民訴4条2項)。 住所とは,その人の生活の本拠である地をいい(民21条),本籍とは異なります。
  また,住所は実質的な概念で,あくまで生活の本拠として使用されているかどうかによって判断しますので,形式的な概念である住民登録がされ住民票に記載されている住所(住民基本台帳法7条7号)とも必ずしも一致しません。
  もっとも,住民票上の住所は,そこが生活の本拠でないという特別の事情がある場合のはかは,そこを管轄の基準となる住所と判断して差し支えありません。
  居所とは,生活の本拠ではないが多少の時間(長くても2−3年以内)継続して居住する場所のことで,例えば単身赴任者が月に1〜2度以上帰宅する場合の単身赴任地の住居の所在地等がこれに該当することになります。


  B 訴状

  訴状には,請求の趣旨と請求の原因を記載する必要があります。

  請求の趣旨は,離婚訴訟で具体的にどのような事項の裁判を求めるのか,について記載したものです。判決の主文に対応するもので,例えば

  @原告と被告を離婚する。
  A未成年者である長男及び長女の親権者を原告と定める。
  B2児の養育費として毎月〇〇円を支払え。
  C被告は原告に対し,財産分与として居住中の土地家屋を譲渡せよ。
  D被告は原告に対し,慰謝料として金〇〇円を支払え」
  などと記載します(後述の訴状参考書式をみてください)。

  請求の原因は,その求める判決を理由付ける具体的事実であり,これを訴状に記載します。
  ここでは,民法770条1項に規定する次の5るの離婚原因に当てはまる具体的事実を記載します(どれか1つでも2つ以上でも良い)。

   @ 不貞行為
   A 悪意の遺棄
   B 3年以上の生死不明
   C 不治の精神病
   D その他婚姻を継続し難い重大な事由

  なお,ある離婚原因による離婚訴訟で敗訴した後にその事実番の口頭弁論終結時にすでに存在した別の離婚原因で別訴を提起することはできないとされています(人事訴訟手続法9条1項)から、離婚を求める際には問題となる離婚原因は網羅的に主張しておく必要があります。


 (2)離婚訴訟の審理

  第1審の訴訟手続は,まず争点及び証拠の整理手続から始められます。

  原告が主張する民法770条1項の離婚原因や親権の帰属あるいは財産分与等に対する被告の争い方いかんによって,証拠調べはどの範囲まで行うかを定めます。この過程で,裁判所から,このような事実があるのか,それを示す証拠を出すようになど,様々な指示を受けることがあります。

  争点整理によって,双方で食い違う主張がはっきりしてきた場合に,その食い違いを認定するために,当事者の本人尋問や第三者の証人尋問を行うことになります。
  最近ではできるだけ同一期日の法廷で全部を集中的に行うことが多くなりこれを集中審理といっています。 

  法廷のあり方についても,最近では工夫が加えられ,ラウンドテーブル法廷といって,従来のような裁判官席が一段と高い席に設けられるのではなく,ワンフロアーで段差を設けず,裁判官と当事者が一つのラウンドテーブルに丸く座って,可能な限り話し合いが進むような雰囲気で審理が進められるようになりました。


(3)離婚事件の判決

 @ 判決する時期
  
 離婚訴訟において審理が進み,裁判所が判断することができる状態に達したと考えたときに,判決を言い渡すことになります。
 これは訴訟の進展によって異なりますから,訴えを提起してから何ヶ月後になるかはわかりません。通常ですと,半年から1年くらいかかるものと思われます。
 
 A 判決

  裁判所(裁判官)が,離婚原因があると判断したときは離婚を認容する判決となり,離婚原因があると判断できないときは離婚の請求を棄却する判決となります。

  そして,離婚を認容する判決をするときは,@離婚を命じるほか,A未成年者の親権者の指定,B養育費の支払,C財産分与,D慰謝料などについて,主文に記載して,判決することになります。


 B 不服申立 
  これらの判決に対して不服がある当事者は,判決の送達を受けた日から2週間以内に,その判決をした裁判所に控訴状を提出して,控訴の手続を取ることができます(民訴281条・285条・286条)。

  控訴があると,高等裁判所で審理が始まり,第1審と同様に審理を尽くして,控訴に理由があるかどうかを審理・判断して,控訴棄却又は原判決取消・変更等の判決を言い渡します。

  高裁の判決に対しては,限られた場合ですが,一定の事由があれば,上告(民訴311条以下)や上告受理の申立て(民訴318条)をすることができますが,最高裁判所の判決があると事件はそれで終了し,最終的に判決で確定したとおりの身分関係・法律関係が形成されます。離婚請求権については既判力が生じ,その他の審判事項に関しては形成力が生じますが,いずれにしても,その効力は,一般の民事訴訟が当事者間だけで相対的にしか効力が生じないのと異なり,対世的効力を生じ,当事者ばかりでなく第三者をも拘束し,その判決の内容と異なる主張ができなくなります(人訴24条1項)。


することはできなくなります。
5 和解離婚

(1)従来の手続における和解離婚と問題点

  従来の離婚訴訟の手続においても,その事件の性質上できるだけ話し合いで解決するのが望ましいことに変わりはありませんので,裁判官によって訴訟上の和解の場が設けられるのが多いのが実情です。

  もっとも,離婚することに合意しても,「原告と被告は本和解により離婚する」と定めても,戸籍実務上ではそれだけでは離婚の効力は生じないとして,戸籍上の離婚の届出を受け付けてくれません。
 そこで,これまでの方法は,「原告と被告は,協議離婚の届出をする」という和解を成立させて訴訟は終了させ,実際上は原告と被告のいずれかが他方の委託に基づき協議離婚の届出をすることによって,事件を解決するという便法が採られてきました。

  しかし,この方法だと,届出によって離婚の効力が生ずる創設的届出である協議離婚の一種であることに変わりはありませんので,その和解が成立しても,離婚の届出が受理されるまでは離婚の効力が生じません。
  
 したがって,和解成立後気が変わった当事者が前述した離婚届不受理申出の制度を悪用して,その届出をしてしまいますと,もはや離婚の届出が受理されませんので,また初めから離婚の手続(協議・調停・審判・判決・和解)をやり直さなければならなくなるという不都合が生じていました。

(2)新しい和解離婚

  そこで,前述した新人事訴訟法では,正面から,訴訟上の和解によって離婚をすることが認められることになりました(人訴37条1項)。

  これによって,「原告と被告は,本和解により離婚する」という訴訟上の和解の成立によって,調停の成立と同様に,直ちに離婚の効力が生じることになりました。 
  それによる戸籍上の届出は,すでに離婚の効力が生じている和解離婚を事後的に報告する届出(報告的届出)にすぎませんので,もはや離婚届不受理申出をすることはできなくなります。

目次
 第1 概要
 第2 詳しい解説
  1 協議離婚
  2 調停離婚
  3 審判離婚
  4 判決離婚
  5 和解離婚

目次
 第1 概要
 第2 詳しい解説
  1 協議離婚
  2 調停離婚
  3 審判離婚
  4 判決離婚
  5 和解離婚

目次
 第1 概要
 第2 詳しい解説
  1 協議離婚
  2 調停離婚
  3 審判離婚
  4 判決離婚
  5 和解離婚