
| 親権者変更の手続 離婚する際、子どもの親権者を妻としました。一度決めた親権者は変更できないのでしょうか。 | |
| 回答の概要 できます。 詳しい解説 1 親権者の変更 子どもの親権者は、一度決めたら変更できないというものではありません。 親権は,子供の福祉(生活)のために設定されている制度です。 現在の親権者が,親権者としての適性を欠いているのであれば,子どもの福祉のために親権者を変更させる必要があります。 そこで、家庭裁判所に,「親権者の変更」の審判又は調停を求めることができます(民法819条6項)。 審判とは,家庭裁判所がなす一種の裁判で,手続にあらわれた諸事情を総合考慮して,裁判所が判断を下す手続きです。 これに対し調停とは、家庭裁判所が第三者として仲介し,調整的役割を果たしつつ,当事者が合意によって紛争を解決する制度です。 さて,親権者の変更は、親の監護態勢(健康面、経済面、環境面など)、子どもに対する監護意思や愛情の有無・程度,子どもの年齢・心身の状況,子どものおかれている環境を継続させる重要性や必要性,子ども自身の意思などを,総合考慮した上で、子どもの利益(福祉)の観点から現状を変更する必要性がある場合に認められます。 例えば,本件の場合,妻が子どもの養育を怠っているとか,虐待を行っているなどの事情があり,親権者変更が子どもの福祉に反する状況と判断されれば、親権者が変更される可能性があります。 なお、親権者変更の手続においては、子どもが満15歳以上の場合には、子どもの意見(陳述)を聴かなければならないことになっています(家事審判規則72条、54条)。 2 緊急の場合 なお,子どもが母(元妻)から虐待を受けていることが明らかである場合のように,子どもを保護すべき緊急の必要性があるような場合には、上記のような親権者変更の審判申立てと同時(又は申立て後)に「審判前の保全処分」によって子供の引渡しなどを求めることもできます。 この保全処分によって、審判の結論が出る前に、緊急措置として、子どもの引渡しなどを求めることになります(すでに子どもが父のもとにいる場合には、子どもに近づかないよう求めることもできます。)。 3 戸籍変更届け出。 親権者の変更のように、審判の効力発生によって戸籍への記載が必要となる場合には、裁判所書記官によって戸籍事務管掌者へ通知がなされます。 審判が確定した日から10日以内に審判書謄本を添付して、原則として届出事件の本人の本籍地または届出人の所在地に届け出なければなりません(戸籍法79条、63条1項、25条1項)。 役所に提出する審判書謄本は,裁判所書記官に交付を求めます。 なお,正当な理由なく届出期間が経過してしまうと過料の制裁がありますので気をつけてください。 |
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